欧州委員会は4日、電解コンデンサーの製造販売を手がけるアジアの10社がカルテルを結んでいた疑いが強まったとして、各社に異議告知書を送付したことを明らかにした。対象メーカーは非公表だが、日本企業が含まれているもようだ。
電解コンデンサーは電子製品の内部に電気を一時的に蓄え、電流を制御する部品。テレビ、スマートフォンなど幅広い製品に使われる。
欧州委によると、10社は1997年から2014年にかけて日本や欧州で会合を開き、価格操作や市場の動向、顧客情報について協議していた。欧州での会合には日本企業の欧州子会社が関与していたという。
電解コンデンサーのカルテル疑惑をめぐっては、欧州委と米司法省、日本の公正取引委員会が2014年に調査に乗り出した。日本ではNECトーキン、日本ケミコン、パナソニック、日立化成などが調査対象となっている。NECトーキンは9月、米司法省にカルテル関与を認め、1,380万ドルの罰金支払いに同意していた。