欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/19

EUその他

テレフォニカのEプルス買収、審査期限を延長

この記事の要約

欧州委員会は12日、スペイン通信最大手テレフォニカが独携帯電話サービス大手Eプルスを買収する計画の可否に関する審査の期限を延長すると発表した。テレフォニカが買収に難色を示す欧州委に対して、新たな競争上の是正策を提案したた […]

欧州委員会は12日、スペイン通信最大手テレフォニカが独携帯電話サービス大手Eプルスを買収する計画の可否に関する審査の期限を延長すると発表した。テレフォニカが買収に難色を示す欧州委に対して、新たな競争上の是正策を提案したためで、期限を当初の6月23日から26日に延長し、最終判断を下す。

テレフォニカは昨年7月、オランダ通信最大手KPN傘下のEプルスを総額85億5,000万ユーロで買収することで合意した。Eプルスは加入者数で独3位の携帯電話サービス会社。テレフォニカが傘下の同4位O2とEプルスを統合して誕生する新会社は、ドイツテレコム傘下のTモバイル、英ボーダフォンを抜いて独携帯電話サービス市場で1位に躍り出る。

欧州委は昨年12月、買収計画を認めるとドイツで独自の通信ネットワークを保有する大手携帯電話サービス会社が4社から3社に減り、大手による寡占化が進んで健全な競争が阻害される恐れがあるとして、本格調査に着手。2月にテレフォニカに異議告知書を送付していた。

テレフォニカは買収認可を取り付けるため、これまでに一部資産の売却などを提案していたが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、◇ワイファイ・サービスのホットスポット(アクセスポイント)を他社に開放する◇他社に開放する自社通信網の割合を20%から30%に引き上げる――といった新たな是正策を提示したもようだ。