2015/11/30

EU情報

預金保険保証制度の具体案発表、24年に一元化へ=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は24日、ユーロ圏共通の預金保険保証制度(EDIS)を導入する計画の具体案を発表した。2017年に共通の預金保険基金「欧州預金保険基金」を創設し、各国が独自に運用する基金を補完。2024年から預金保証をEDIS […]

欧州委員会は24日、ユーロ圏共通の預金保険保証制度(EDIS)を導入する計画の具体案を発表した。2017年に共通の預金保険基金「欧州預金保険基金」を創設し、各国が独自に運用する基金を補完。2024年から預金保証をEDISに一元化し、共通基金でユーロ圏の銀行の預金を全面的に保証する。

預金保険保証制度はEU銀行同盟創設構想の最終段階。銀行同盟はギリシャに端を発した信用不安への対応が後手に回り、債務危機の拡大を招いた反省を踏まえて、EUが2012年に打ち出したもの。これまでに銀行監督の一元化が実現。銀行破綻処理の一元化が決まっている。共通預金保険保証制度の発足により構想が完成する。

EUでは域内の銀行が破たんした場合に備えて、ユーロ圏各国が銀行の拠出による預金保険基金を設立し、10万ユーロを上限に個人預金を保護することを決定済み。欧州委がまとめた案によると、EDISは3段階で導入され、欧州預金保険基金は創設から2020年までの3年間は、各国の基金が尽きた場合に必要とする資金を提供する「再保険」的な役割を担う。その後の4年間は各国の基金と共同で預金保証を行い、必要となる預金保証のコストを分担する。初年度の分担率は20%。4年間で段階的に引き上げる。そして、2024年には分担率が100%となり、預金保証をEDISに一元化する。

欧州預金保険基金はユーロ圏の銀行が自国の基金に拠出する資金の一部を受け取る形で運営される。預金保険でカバーされる預金額の0.8%に相当する約430億ユーロ(2011年のデータに基づく試算)を目標に、8年間で集める。

銀行の負担額は各行が抱えるリスクの度合いによって決まる。欧州預金保険基金には目標額に到達するまで拠出する。これには自国の基金への拠出の一部が回るため、各行の負担は欧州預金保険基金創設後も変わらない。

各国の基金はEDISが本格運用される24年以降も、自国の預金保証を管理し、銀行と預金者の橋渡しをする機関として存続する。また、必要に応じて銀行に拠出を求めることができる。

共通の預金保険保証制度導入をめぐっては、ドイツ政府が自国で集めた資金をユーロ圏の他の国が預金者保護のため使うことになるとして難色を示している。金融監督を怠っている国の尻拭いをさせられるという主張だ。欧州委はこうした批判的な動きを考慮し、欧州預金保険基金による支援は自国の基金の積み立て目標を達成した国に限る方針を決定。また、銀行のリスク管理強化策として、自国の国債に対するエクスポージャー(大量の国債を保有することに伴うリスク)を制限する措置の導入を検討していることを明らかにした。