2015/11/30

EU情報

金融指標の規制案、EU3機関が基本合意

この記事の要約

欧州議会とEU加盟国、欧州委員会の3者は25日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をはじめとする主要な金融指標に対する規制を強化する法案の内容で基本合意した。監視体制を強化して指標の安定性と信頼性を高め、金利指標の不正 […]

欧州議会とEU加盟国、欧州委員会の3者は25日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をはじめとする主要な金融指標に対する規制を強化する法案の内容で基本合意した。監視体制を強化して指標の安定性と信頼性を高め、金利指標の不正操作スキャンダルで失われた金融市場への信頼回復を図る。欧州議会と閣僚理事会の承認を経て新規制が導入される。

規制案はLIBORの不正操作が発覚したのをきっかけに、欧州委が2013年9月に提案した。LIBORは企業金融や住宅ローンなどの基準金利として広く利用されていたが、それまでほとんど規制や監督の対象となっていなかった。新規制は証券監督国際機構(IOSCO)が定める指標管理に関する基本原則より厳格な内容となっているため、IOSCOの原則を採用している米国などの指標の扱いをめぐって協議が長引いていた。

新規制の対象にはLIBORやユーロ圏の指標金利である欧州銀行間取引金利(EURIBOR)のほか、デリバティブ(金融派生商品)や石油・ガスといった商品市場で用いられる指標も含まれる。各種指標を提供する金融機関などは指標の算出にあたり、市場や経済の実態が反映されるよう「十分かつ正確なデータ」を使用することが義務付けられ、指標の算出や管理をめぐる違反行為には制裁金が科される。また、監督当局が指標の算出機関に対し、報告者としての義務や責任を明確にした行動規範を作成することも盛り込まれている。

さらに、総額5,000億ユーロ以上の金融商品において基準となっている重要な指標に関しては、関係国の監督当局とパリに本部を置く欧州証券市場監督局(ESMA)が協力して監視に当たる。欧州委は当初、重要指標をESMAが一括して監督するシステムを検討していたが、英国などの反対で一元化に踏み切れず、加盟国に主要な権限を残したうえでESMAや他の関係国の当局が協力する形に落ち着いた。