2015/11/30

EU情報

欧州議会が課税逃れ防止策で決議採択、国別報告制度の導入など勧告

この記事の要約

欧州議会は25日の本会議で、企業による課税逃れを防止するための対策強化を求める決議案を賛成多数で採択した。多国籍企業に対して国ごとの利益や支払い税額の開示を義務づける制度や、加盟国間でタックスルーリング(税務当局が企業と […]

欧州議会は25日の本会議で、企業による課税逃れを防止するための対策強化を求める決議案を賛成多数で採択した。多国籍企業に対して国ごとの利益や支払い税額の開示を義務づける制度や、加盟国間でタックスルーリング(税務当局が企業と結んだ課税措置についての取り決め)に関する情報を自動的に交換するシステムの導入などで早期に合意するよう加盟国に勧告している。欧州議会の決議に法的拘束力はないが、先の20カ国・地域(G20)首脳会議で合意された国際ルールに沿って法改正に向けた議論を加速させる狙いがある。

欧州議会が今年2月に設置した臨時調査委員会がまとめた決議は、多国籍企業による行き過ぎた節税策が各国政府の税収減を引き起こしているほか、大企業との競争で中小企業が不利な立場に置かれていると指摘し、多国籍企業が利益を上げた国で確実に納税する仕組みを確立する必要があると強調。そのための具体策として、多国籍企業に対し、拠点を置く国ごとに利益や支払い税額、さらに国や自治体から交付された補助金の額などの情報開示を義務づける「国別報告制度」を導入するとともに、税務の透明性を高めるため、タックスルーリングの対象を域内で統一し、各国当局と企業が合意した課税措置に関する情報を加盟国間で自動的に共有するシステムを構築するよう勧告している。さらに、内部告発者に対する保護を強化して税務当局への情報提供を促すことも盛り込んだ。

決議案を策定したエリザ・フェレイラ議員は「多国籍企業を誘致するため、さまざまな優遇措置を容認している法人税の課税制度をこれ以上放置することはできない」と強調。加盟国に対し、課税逃れの防止に向けて速やかに有効な対策を講じるよう促した。