2015/11/30

西欧

米ファイザー、アイルランドのアラガンを買収

この記事の要約

米製薬大手ファイザーは23日、アイルランド同業のアラガンと経営統合で合意したと発表した。事実上はファイザーによる買収で、製薬業界では史上最大の合併・買収となる。誕生する新会社は売上高でスイスのノバルティスを抜き、世界最大 […]

米製薬大手ファイザーは23日、アイルランド同業のアラガンと経営統合で合意したと発表した。事実上はファイザーによる買収で、製薬業界では史上最大の合併・買収となる。誕生する新会社は売上高でスイスのノバルティスを抜き、世界最大手に浮上する。ただ、同買収には租税回避の面もあり、米国で大きな波紋を広げそうだ。

買収は株式交換方式で、アラガンの株主は1株につき新会社の株式11.3株、ファイザーの株主は同1株を受け取る。アラガンを1株当たり363.63ドルと評価した形となる。同価格は前営業日(20日)の終値に約16%を上乗せした水準だ。新会社に対する持ち株比率はファイザー株主が56%、アラガン株主が44%となる。2016年下期の合併手続き完了を目指す。

アラガンはシワ取り薬「ボトックス」で知られる製薬会社。ファイザーは経営統合によって収益基盤を強化できるほか、合併から3年後に年20億ドルを超えるコスト削減効果が期待できるとしている。

ファイザーは合併に伴い、本社を法人税率が米国を大きく下回るアイルランドに移すが、新会社の社名は「ファイザー」のままとする。新生ファイザーの会長兼最高経営責任者(CEO)にはファイザーのイアン・リードCEOが就任する。

米国では製薬会社などが節税を目的にアイルランド企業を買収し、本社を同国に移す動きが相次いでいる。ファイザーは昨年、英アストラゼネカの買収に乗り出し、最終的には断念したが、これにも本社を法人税率が低水準の英国に移す意図があった。

こうした動きをめぐっては、米政府が規制に乗り出している。ファイザーは今回、形式上はアラガンによる吸収という体裁を整えて規制に対応するが、米国内で反発が広がるのは必至で、政府がさらなる規制強化に動く可能性もありそうだ。