欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/11/30

西欧

仏オッド、独英系BHFを買収へ

この記事の要約

仏プライベートバンクのオッドは27日、ベルギーに本社を置く独仏系の金融機関BHFクラインオート・ベンソンを株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。BHFに21.6%を出資するオッドは、大株主2社から計28.7%を […]

仏プライベートバンクのオッドは27日、ベルギーに本社を置く独仏系の金融機関BHFクラインオート・ベンソンを株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。BHFに21.6%を出資するオッドは、大株主2社から計28.7%を譲り受けることで合意しており、出資比率が50%を超えるのは確実の情勢。BHFに対しては中国の複合企業、復星国際も買収の意向を表明しており、復星国際の対応が注目される。復星国際の広報担当者はロイター通信の問い合わせに「状況を分析する」と回答した。

オッドはBHFを1株当たり5.75ユーロで買収する。BHFを7億6,000万ユーロと評価した格好で、他の株主が持つ計78%強をすべて取得すると、買収額は約6億ユーロとなる。オッドに対しては米投資会社フランクリン・テンプルトンと、独富豪シュテファン・クヴァント氏の投資会社アクトンがBHF株の譲渡を約束している。

オッドは昨年、証券売買や中堅企業の社債発行・新規株式公開(IPO)支援を手がける独投資銀行クローズ・ブラザーズ・ザイトラーを買収した。BHFの買収によりドイツの中堅企業向け事業をさらに強化する考え。自らが必要としないBHFの事業については仏大手銀ソシエテ・ジェネラルに売却することをすでに取り決めた。

復星国際は7月、BHFへのTOB計画を発表した。1株当たりの買収額は5.10ユーロ。主要株主は額が低すぎるとして応じない姿勢を示していた。