独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は13日、スウェーデン商用車大手スカニアの完全子会社化に向けた株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。同日までにスカニアの発行済み株式の保有比率が90%を超えたため、スクイーズアウト(少数株主の締め出し)による全株式の取得が可能になった。VWはスカニアを上場廃止とし、商用車子会社のMANとVWの商用車事業であるVWヌッツファールツォイゲの3社による連携を強化する。
VWは2月21日、株式62.64%(議決権ベース:89.18%)を保有していたスカニアの完全子会社化に向けて、TOBを開始した。当初設定した4月25日の期限までに確保したのが88.25%にとどまり、目標の90%超に届かなかったことから期限を延長した結果、VWは13日時点で90.47%を確保した。
VWは今後、スカニア、MAN、VWヌッツファールツォイゲの商用車3ブランドの連携を強化し、調達や研究開発など、コスト削減や成長戦略で相乗効果を引き出していく計画だ。ただ、トラックやバスではモデルサイクルが長いことから3ブランドの本格連携には10~15年かかると見られている。