欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/12/14

西欧

エレクトロラックス、GEの白物家電部門買収が白紙に

この記事の要約

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は7日、白物家電部門を欧州家電最大手のエレクトロラックス(スウェーデン)に売却することを断念したと発表した。両社は昨年9月に同取引で合意していたが、米当局が阻止に動いたことから中止に追い […]

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は7日、白物家電部門を欧州家電最大手のエレクトロラックス(スウェーデン)に売却することを断念したと発表した。両社は昨年9月に同取引で合意していたが、米当局が阻止に動いたことから中止に追い込まれた。

エレクトロラックスはGEの白物家電部門を33億ドルで買収することで合意。これによって北米での売上高が倍増し、首位ワールプールに肉薄するはずだった。しかし、米司法省は7月、同買収によって米白物家電市場の大手がワールプール、エレクトロラックスの2社に減り、健全な競争が損なわれて製品値上げを招くとして、差し止めを求める訴訟を起こしたことから、GEが合意の破棄を決めた。エレクトロラックスは違約金として1億7,500万ドルを受け取る。

エレクトロラックスは買収が白紙となったことで、成長戦略に狂いが生じた。同社は声明で、GEの決定に遺憾の意を表明した上で、今後は既存ブランドを強化しながら、新たな合併・買収を模索していく方針を打ち出した。

一方、GEはとりあえず白物家電部門の売却を断念するものの、新たな機会を探るとしている。