欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/12/14

西欧

「CO2排出量で不正なし」、VWが新調査結果を発表

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は9日、同社製車両の二酸化炭素(CO2)排出量で不正があったとされる問題の調査結果を発表し、不正はなかったとする新たな見方を示した。一部のモデルでCO2排出量が型式認定を受けた際の […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は9日、同社製車両の二酸化炭素(CO2)排出量で不正があったとされる問題の調査結果を発表し、不正はなかったとする新たな見方を示した。一部のモデルでCO2排出量が型式認定を受けた際の数値(カタログ値)よりも高いものの、その差は小さく不正に当たらないとしている。該当車両の数についても当初示していた台数から大幅に引き下げた。

VWは11月上旬、窒素酸化物(NOx)排出不正操作の発覚を受けて開始した内部調査でCO2の不正も明らかになったと発表。該当車両は合わせて約80万台に上るとしていた。

今回の発表では該当する車両数を年産台数ベースで3万6,000台へと大幅に下方修正した。モデルもVWブランド乗用車の9車種にとどまるとしている。

同社によると、これら9車種で走行100キロメートル当たりの燃料消費量を欧州の燃費測定方法であるNEDC(新欧州ドライビングサイクル)で新たに測定したところ、カタログ値とのズレは0.1~0.2リットルと小さかった。このためCO2排出量のズレも小さく、VWは違法性がないと判断した。

同社はこの問題をカタログ値の修正で対応できるとみている。このため、当初はリコール(無料の回収・修理)などの対策に計20億ユーロのコストが発生すると予想していたが、同コストの計上を回避できる公算が高まってきた。VWは年内に当局の監督のもとで中立の技術監査機関の検査を受け承認を獲得する考えだ。