アルセロールミタル、負債圧縮へ30億ドル増資

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル(ルクセンブルク)は5日、財務強化のため30億ドルの株主割当増資を実施すると発表した。業績悪化で負債が膨らんでいることを受けたもので、今年半ばに実施する。

同社は資源価格の下落、安価な中国の鉄鋼製品の輸出拡大で業績低迷が続いている。同日発表した2015年通期の最終損益は79億5,000万ドルの赤字となり、赤字幅は前期の18億6,000万ドルから急増した。売上高が20%減の636億ドルに落ち込んだほか、鉄鉱石採掘部門の減損処理などが響き、収益が一段と悪化した。

アルセロールミタルは債務増大で信用格付けが投資不適格級となっており、資金調達コストが膨らんでいる。増資は昨年末時点で157億ドルに上る負債の圧縮が目的。このほか自動車用鉄鋼部品メーカーのゲスタンプ・オートモシオン(スペイン)の株式35%を大株主に売却し、8億7,500万ユーロを調達する。

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