ステープルズのオフィスデポ買収、条件付きで承認

欧州委員会は10日、米文具・事務用品販売の最大手ステープルズが同2位の米オフィス・デポを買収する計画を条件付きで承認したと発表した。欧州委は法人向けの事務用品市場で寡占化が進み、価格上昇につながる事態を懸念していたが、オフィス・デポの欧州事業を一部売却することを条件に、両社の取引を承認した。

ステープルズは昨年2月、オフィス・デポを63億ドルで買収すると発表。8月下旬に欧州委に買収認可を申請した。欧州ではステープルズとオフィス・デポに仏リレコを加えた大手3社が法人向け事務用品市場で激しいシェア争いを展開している。欧州委はステープルズによるオフィス・デポの買収が実現した場合、ステープルズの競争相手は実質的にリレコ1社となるため、すでに寡占化が進んでいる市場でさらに顧客の選択肢が狭められ、特にスウェーデンではステープルズによる事実上の独占が形成されるとして、昨年9月から調査を進めていた。

欧州委によると、ステープルズは是正策として、オフィス・デポの欧州における法人契約とすべてのスウェーデン事業を第3者に譲渡することを提案。欧州委はこれによって寡占化の進展が懸念されるすべての市場で両社の重複事業が解消され、競争上の懸念が払しょくされると判断し、買収計画を承認した。

ステープルズによるオフィス・デポ買収をめぐっては、米連邦取引委員会(FTC)が昨年12月、計画の差し止めを求めて提訴したほか、カナダの競争当局も詳細調査を進めている。

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