独スポーツ用品大手アディダスが運動靴のデザインをめぐり、ベルギーの靴メーカー、シュー・ブランディング・ヨーロッパの商標登録を認めた欧州共同体商標意匠庁(OHIM)の決定の取り消しを求めた訴訟で、欧州司法裁判所は24日、アディダスの主張を認める判決を下した。
シュー・ブランディングは2009年、運動靴に採用した2本線のデザインをOHIMに商標登録出願した。アディダスは同社のシンボルとなっている「スリーストライプ(3本線)」に酷似していると主張し、異議を申し立てたが、OHIMは2つのデザインに類似性は乏しいとしてこれを却下。アディダスは決定を不服とし、欧州裁の一般裁判所に訴訟を提起した。同裁判所が昨年5月、アディダスの訴えを認める判決を下したのを受け、シュー・ブランディングが司法裁に上訴していた。
欧州裁は判決で、一般裁判所はOHIMがアディダスとシュー・ブランディングのデザインに類似性は乏しいと判断した根拠を十分に示していないため、独自に両社のデザインを分析し直した結果、ストライプの本数や長さなど細かい違いはあるものの、全体として類似性が高いと判断したと指摘。同裁判所の判決を全面的に支持し、「アディダスは運動靴の側面にあしらわれた斜めのストライプを共同体商標として登録する行為を阻止することができる」と結論づけた。