欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/26

EUその他

EUが新たにロシアをWTO提訴、独・伊製商用車への反ダンピング措置めぐり

この記事の要約

欧州委員会は21日、ロシアがドイツ、イタリア製の軽商用車に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。EUがロシアをWTO提訴するのは、輸入車の廃車処理税(リサイク […]

欧州委員会は21日、ロシアがドイツ、イタリア製の軽商用車に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。EUがロシアをWTO提訴するのは、輸入車の廃車処理税(リサイクル税)をめぐる紛争に次ぐ2件目となる。

ロシアは昨年5月、独・伊が軽商用車(2.8~3.5トン)をダンピング輸出しているとして、ドイツ製に29.6%、イタリア製に23%税の反ダンピング関税を適用した。ロシアだけでなく、同国との関税同盟に加わるベラルーシ、カザフスタンも同措置を発動した。

これについて欧州委は、ダンピングに根拠はなく、同措置発動には手続き上の問題があると指摘。さらに、反ダンピング関税が重過ぎるとして、提訴に踏み切った。ベラルーシとカザフスタンの反ダンピング措置に関しては、両国がWTOに加盟していないため、提訴の対象外となる。

EUはロシアがEU製の新車と中古車に廃車処理税を課している問題でも、昨年7月にWTOに提訴。WTOは11月に紛争処理小委員会(パネル)を設置していた。