欧州委員会は11日、仏海運大手のCMA-CGMがシンガポール同業のネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)を買収する計画の認可に向けて、競争上の是正策を提示したことを明らかにした。
CMAは昨年12月、NOL買収で合意していた。NOLの親会社であるシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスが保有する株式約67%を取得するほか、残る株式もTOB(株式公開買い付け)で取得する。全株式を取得した場合の買収額は24億米ドルに上る。
CMAはコンテナ海運でAPモラー・マースク(デンマーク)とMSCメディタレニアン・シッピング・カンパニー(スイス)に次ぐ世界3位。NOL買収によって同地位を強化することから、欧州委による買収認可は難しいとの見方が出ていた。
是正策の内容は不明だが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、NOLを定期コンテナ船運航のコンソーシアムから脱退させることが盛り込まれているという。
欧州委は是正策の提示により、審査期限を4月15日から29日に延長し、買収の可否を判断する。