欧州司法裁判所は5日、EUのたばこ規制強化を支持する判決を下した。大手たばこメーカーやポーランド政府は不当な規制として無効化を求めていたが、欧州裁は喫煙対策として「妥当かつ必要な措置」として訴えを退けた。
問題となっていたのは、2014年に可決した「たばこ製品の製造・広告・販売に関する指令」の改正案。メンソールなどの香り付きたばこの販売禁止、パッケージでの健康被害に関する警告表示の強化、電子たばこ規制などが盛り込まれている。警告表示については、たばこのパッケージの両面でそれぞれ65%を占めるよう義務付けられる。電子たばこは、ニコチン含有量を1ミリリットル当たり20ミリグラム以下に抑えることなどが求められる。
同規制をめぐっては、フィリップモリスなど大手メーカーが差別的措置として提訴。さらに域内4位のたばこ生産国で、メンソール製品が広く普及しているポーランドも、香り付きたばこの禁止撤回を求めて提訴していた。
同規制は5月20日に施行され、パーケージ規制が同日付で実施される。香り付きたばこの販売は2020年1月1日から禁止となる。