欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/26

ロシア・CIS・その他

トルコ中銀が金融緩和に方向転換、政府の利下げ圧力に屈し

この記事の要約

トルコ中央銀行は22日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5ポイント引き下げ、9.5%とすることを決めた。中銀はリラ安に歯止めをかけるため、1月に利上げを実施したばかりで、インフレ率も上昇し […]

トルコ中央銀行は22日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5ポイント引き下げ、9.5%とすることを決めた。中銀はリラ安に歯止めをかけるため、1月に利上げを実施したばかりで、インフレ率も上昇していることから、利下げは予想外。経済底上げのため利下げを求める政府の圧力に屈したとの見方が出ている。

トルコの利下げは1年ぶり。中銀は声明で、リラ安など「不確実性の低下」と「リスクプレミアム指標の改善」などを受けて、利下げを決めたと説明している。

8月に大統領選を控えるエルドアン政権は、支持拡大のため高い経済成長の維持を重視し、利下げを求めていた。しかし、中銀は米国の量的金融緩和縮小などの影響で進行しているリラ安を食い止めるため、1月に大幅な利上げを実施した。大統領選への出馬が見込まれるエルドアン首相は先ごろ、強い調子で利下げを働きかけたが、中銀はインフレ率が高水準にあり、4月に今年の予想インフレ率を6.6%から7.6%に引き上げたことから、今回は金利を据え置くとみられていた。

それだけに、市場で今回の方向転換を政治的配慮が働いたと受けとめており、中銀の独立性が揺らぐ事態となっている。

ただ、中銀は今後の金融政策について、インフレ圧力が低下するまで非緩和的な姿勢を継続するとしている。