オランダ金融大手INGグループは投資家向けに3月31日発表した中期事業戦略で、金融危機に際してオランダ政府から受けた100億ユーロの緊急融資の返済を2015年に終え、同年に株主への配当を再開する方針を打ち出した。
INGは2008年に公的資金注入を受けて救済されてから、同支援の条件としてEUに求められている再編を進めながら再建に取り組み、融資を段階的に返済してきた。
ラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)によると、残る返済額は10億3,000万ユーロ。6月末までに実施する欧日保険部門の新規株式公開(IPO)で50~80億ユーロを調達するほか、貸し出し業務の拡大、コスト削減、投資収益拡大によって財務を強化することで、2015年3月の期限までに返済を完了させる計画だ。欧州中央銀行(ECB)が実施する銀行のストレステスト(健全性審査)と資産査定で大きな問題が生じず、追加増資を迫られないことが前提になるとしている。
復配については、配当性向を40%以上とすることを目指すという。今回の発表を投資家は歓迎し、INGの株価は同日、約4%上昇した。