金融危機で国有化されたアイルランド大手銀行アイリッシュ・バンク・レゾリューション・コーポレーション(IBRC)は1日、111億ユーロの不良債権を売却したと発表した。これによって、2013年2月から進めている不良債権処理の90%以上が完了した。
IBRCは、金融危機で資金繰りが悪化し、2009年に国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行と、同様の状況にあった住宅貯蓄組合のアイリッシュ・ネーションワイド・ビルディング・ソサイエティが統合して2011年に発足した銀行。再建の目途が立たず、救済のコストも大きな負担となっていることから、昨年に政府が清算を決めた。これを受けて同行は、注入された公的資金の返済に向けて、総額217億ユーロに上る不良債権の処理を清算人の管理下で進めている。
新たに売却したのは、焦げ付いた不動産融資を中心とする不良債権。ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行傘下のファンドなど機関投資家が引き受けたという。
今回の売却成功で、処理した不良債権は総額200億ユーロ近くに達し、ほぼ処理を終えた。