欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/2

西欧

キプロスの銀行預金、16カ月ぶりの純増に

この記事の要約

キプロス中央銀行は5月28日、国内銀行の4月の預金額は2億6,630万ユーロの純増だったと発表した。預金額の増加は2012年12月以来16カ月ぶり。金融危機で失墜していた金融システムへの信頼がようやく回復してきたようだ。 […]

キプロス中央銀行は5月28日、国内銀行の4月の預金額は2億6,630万ユーロの純増だったと発表した。預金額の増加は2012年12月以来16カ月ぶり。金融危機で失墜していた金融システムへの信頼がようやく回復してきたようだ。

ギリシャの信用不安が飛び火し、金融・債務危機に陥ったキプロスは昨年3月、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの金融支援を取り付けたが、条件として銀行の再編、大手銀行の預金者に一定の負担を強いることを求められたため、預金流出が続いていた。

キプロス政府は取り付け騒ぎを防ぐため導入していた預金引き出し制限などの資本規制の大部分を5月初めに撤廃したばかり。これに続いて預金が増加で、金融危機の沈静化が確認された格好だ。ただ、純増はEU域外からの預金流入が増えたためで、国内の預金者は2億4,390万ユーロ、他のEU加盟国の預金者は1,600万ユーロの純減となった。