欧州委員会は22日、オーストリアが虚偽の財政報告を行ったとして、2,980万ユーロの制裁金支払いを求めることを明らかにした。加盟国の承認を経て、正式決定する。同様のケースでの制裁は2件目となる。
欧州委が問題視したのは、オーストリアが2012、13年に提出した財政赤字、債務に関するデータ。ザルツブルク州政府が誤ったデータを連邦政府に提出したため、債務が過少申告された。
EUではギリシャ政府が財政赤字を過少申告したことで同国の債務危機への対応が遅れ、ユーロ圏を揺るがす信用不安を招いた反省から、財政データを虚偽申告した国に欧州委が制裁を発動できる制度を2011年に導入。15年にスペインが同制度に基づき、1,893万ユーロの制裁金支払いを命じられた。オーストリアへの制裁は、これに次ぐ2例目となる。