ユニリーバが再編計画発表、部門売却などで株主利益最大化

英・オランダ系の食品・日用品大手ユニリーバは6日、非中核事業の売却や自社株買いを柱とする再編計画を発表した。経営を効率化して株主利益を高めるため、英国とオランダに本社を置く二重構造についても見直す方針を示している。

ユニリーバは2月に米食品大手クラフト・ハインツから1,430億ドルの買収案を提示されたのを機に、事業戦略の見直しを進めていた。同社はグループ全体の成長を支えてきた新興国での業績鈍化や、英国のEU離脱決定を受けたポンド下落に伴う国内での生産コストの上昇などで業績が悪化している。収益改善を図るため、すでに利益率の低い食品事業を縮小して日用品事業に軸足を移しているが、今後は株主価値を高める戦略を推進して株価を押し上げ、再び買収の標的になるのを防ぐ方針だ。

事業再編の柱となるのは、マーガリン「フローラ」などを展開するスプレッド食品(パンの塗りもの)事業の売却。一方、これまで独立した1部門として運営してきた「リプトン」紅茶や「ベン&ジェリーズ」などのアイスクリームブランドを展開する「リフレッシュメント」事業を、食品部門に統合する。

株主への利益還元として、2017年12月期に配当を12%引き上げると共に、50億ユーロ相当の自社株買いを実施する。また、向こう3年間のコスト削減目標を従来の10億ユーロから20億ユーロに引き上げる。ユニリーバは一連の措置により、今後数年間は年3~5%のペースで売り上げを伸ばすことが可能で、営業利益率は16年12月期の16.4%から20年12月期までに20%に拡大するとみている。

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