ギリシャが3年ぶりに国債発行、30億ユーロを調達

ギリシャ政府は25日、3年ぶりの国債入札を実施し、30億ユーロを調達した。EUの金融支援再開などで債務危機を乗り切る目途が立ち、信用が回復したことを受けたもので、支援終了後の自力での資金調達に向けて弾みがついた格好となる。

発行したのは5年物国債。平均落札利回りは4.62%で、前回(14年4月)の4.95%を下回った。応募は発行枠の2倍を超える65億ユーロだった。

2010年に深刻な債務危機に陥ったギリシャは、2010年から12年にかけてEUと国際通貨基金(IMF)から総額2,400億ユーロの金融支援を取り付け、財政再建に取り組んできた。その結果、危機は終息に向かい、14年には国債発行で資金を調達できる状態まで回復した。しかし、15年に反緊縮を掲げるチプラス政権が発足し、金融支援継続が不透明となったことで状況が悪化したため、国債を発行できない状態に陥っていた。

EUとギリシャは6月、総額860億ユーロに上る第3次支援の継続の条件となる財政再建計画で合意し、85億ユーロの追加融資が決定。ギリシャはデフォルト(債務不履行)の危機を脱した。さらに、IMFによる3次支援参加が決まったほか、債務を軽減する方向で調整が進んでいることから、ギリシャ政府は国債市場復帰の環境が整ったと判断。24日に国債発行を発表していた。

ギリシャは第3次支援が打ち切られる18年8月以降は、自力で資金を調達しなければならない。政府は追加融資で当面の資金繰りの問題は解消されたものの、これに備えて市場の反応を探る目的で国債入札を再開した。

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