欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2017/11/6

西欧

第一三共、独グリコトープとがん治療薬で提携

この記事の要約

第一三共は10月30日、ドイツの医薬品開発会社グリコトープとがん治療薬分野で協業すると発表した。グリコトープが開発中の抗TA-MUC1抗体「PankoMab-GEX」を第一三共の抗体薬物複合体(ADC)技術を用いてADC […]

第一三共は10月30日、ドイツの医薬品開発会社グリコトープとがん治療薬分野で協業すると発表した。グリコトープが開発中の抗TA-MUC1抗体「PankoMab-GEX」を第一三共の抗体薬物複合体(ADC)技術を用いてADC化し、開発・市場投入を目指す。

第一三共はまず、ADC化したPankoMab-GEXの薬効を確認する予備的試験を実施。その後、オプション権を行使してグリコトープとライセンス契約を締結することができる。この場合、同社はADC化したPankoMab-GEXを全世界で独占開発・商業化する権利を取得する。グリコトープは契約一時金、各種マイルストンおよび販売ロイヤルティを受け取る。

抗体薬物複合体(ADC)とは抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群。がん細胞に特異的に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることから、高い抗腫瘍効果を示す。薬物の全身曝露も抑制できる。

TA-MUC1は卵巣がん、肺がん、乳がんなど多くのがん種に高発現する抗原で、PankoMab-GEXはこれに特異的に結合する。