ネスレ、紅茶2ブランドを売却

食品・飲料大手のネスレ(スイス)は12月18日、米子会社ネスレ・ウォータズ・ノース・アメリカが紅茶ブランド「リーフ・ティー」「トレードウインズ」を米投資会社ファイアーマン・キャピタル・パートナーズと飲料メーカーのダンズ・リバー・ブランドに売却すると発表した。有望分野に経営資源を絞り込む戦略の一環。売却金額は公表していない。年内の売却手続き完了を見込む。

ネスレは2011年、リーフ・ティーとトレードウインズを買収した。買収価格は推定1億スイスフラン。買収からわずか6年で両ブランドを放出する理由について、市場では事業規模が今後の成長に必要な規模に達していないためではないかとの見方を示した。

1月に就任したウルフ・シュナイダー新最高経営責任者(CEO)はコーヒー、ウォーター、ヘスルケアなど有望分野に経営資源を集中する戦略を推し進めており、9月に高級コーヒー店をチェーン展開する米ブルーボトルコーヒーを買収。今月上旬にはサプリメントなど栄養補助食品の製造・販売を手がけるカナダのアトリウム・イノベーションズを買収すると発表した。独メルクの一般医薬品事業の買収に関心を示しているとの観測もある。メルクは9月、製薬分野の経営資源を特許薬に絞り込む方針を打ち出し、一般医薬品事業の全面売却や部分売却、合弁会社化を検討していることを明らかにした。

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