欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/7

東欧・ロシア・その他

エルステ銀が赤字転落へ、中東欧の引当金急増で

この記事の要約

オーストリア大手銀行のエルステ・グループ・バンクは3日、主力の中東欧事業で不良債権などの引当金が急増するため、今年の最終損益が最大16億ユーロの赤字に転落するとの見通しを示した。 収益悪化の要因は、ルーマニア、ハンガリー […]

オーストリア大手銀行のエルステ・グループ・バンクは3日、主力の中東欧事業で不良債権などの引当金が急増するため、今年の最終損益が最大16億ユーロの赤字に転落するとの見通しを示した。

収益悪化の要因は、ルーマニア、ハンガリー事業。エルステ銀が最大手となっているルーマニアでは、金融当局が欧州中央銀行(ECB)のEU域内の銀行に対する資産査定に備えて、国内銀行に不良債権処理を迫っている。2位のハンガリーでは、不当な条件で貸し付けた外貨建てローンの補償を銀行に求める法令が施行される。

このためエルステ銀は、両国では2014年に引当金の24億ユーロ上積みと、最大10億ユーロの評価損が生じる予想。業績見通しを引き下げた。

エルステ銀は中東欧で伊ウニクレディト、オーストリアのライファイゼンバンクに次ぐ3位の銀行。収益の大半を中東欧事業が占めている。