欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

総合 – 欧州経済ニュース

EUとウクライナの連合協定めぐり3者協議、ロシアの懸念に対応

この記事の要約

EUとロシア、ウクライナは11日、ブリュッセルで閣僚級会合を開き、EUとウクライナが6月に署名した自由貿易協定(FTA)を柱とする連合協定について協議した。ロシアは協定の履行によって自国が経済的な不利益を被ると訴えており […]

EUとロシア、ウクライナは11日、ブリュッセルで閣僚級会合を開き、EUとウクライナが6月に署名した自由貿易協定(FTA)を柱とする連合協定について協議した。ロシアは協定の履行によって自国が経済的な不利益を被ると訴えており、3者は今後、協定の影響を分析して対応を話し合うことで合意した。

EUとウクライナ、グルジア、モルドバは先月、政治・経済面の連携を強化する連合協定に署名した。ロシアは3カ国を経由してEUの製品が自国に流入する事態を強く警戒しており、今月初めには対抗策として、ウクライナの乳製品とモルドバの精肉製品に対する輸入規制を導入。FTAが発効した場合、幅広い製品で関税引き上げなどの保護的措置に踏み切るとみられている。

11日の会合には欧州委員会のデフフト委員(通商担当)、ロシアのウリュカエフ経済発展相、ウクライナのクリムキン外相が参加。協定の発効がロシアに「経済的なリスクをもたらす可能性がある」との認識で一致した。デフフト委員によると、3者はロシアが今月20日までに協定に伴う具体的な「懸念」をリストにまとめたうえで、専門家が解決策を協議し、9月までに報告書を作成。それを受けて9月12日に2回目の閣僚級会合を開くことで合意した。

デフフト委員は会議後の会見で「われわれは一連のプロセスに誠意を持って取り組むことを約束した」と語り、3者が協力して問題の解決に当たる姿勢をアピールした。一方、ウリュカエフ経済発展相は国営ロシア通信(RIA)の取材に対し、「EUとウクライナはロシアが直面する問題の深刻さを完全には理解していない」と指摘。ロシアにとって「危険な領域」が解消されない限り、連合協定を発効すべきではないとの立場を強調した。