欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

総合 – 欧州経済ニュース

「サウスストリーム」建設計画、ブルガリアとロシアが続行の承認要請

この記事の要約

ロシア産天然ガスを黒海経由で欧州諸国に運ぶパイプライン「サウスストリーム」の建設プロジェクトについて、ロシアとブルガリアは7日、欧州委員会に対し、ブルガリアでの敷設工事を認めるよう呼びかけた。ロシアの国営ガス会社ガスプロ […]

ロシア産天然ガスを黒海経由で欧州諸国に運ぶパイプライン「サウスストリーム」の建設プロジェクトについて、ロシアとブルガリアは7日、欧州委員会に対し、ブルガリアでの敷設工事を認めるよう呼びかけた。ロシアの国営ガス会社ガスプロムが主導する同プロジェクトをめぐっては、ウクライナ情勢を背景に、EUと米国が関係国に計画の中断や契約の見直しを迫っており、ブルガリアは先月8日、自国内での建設計画を一時凍結する方針を打ち出していた。

サウスストリームはロシア南西部からウクライナを迂回して黒海の海底を通り、中欧や南欧諸国に年間630億立方メートルの天然ガスを運ぶ全長およそ2,500キロメートルのパイプライン。2015年から段階的に欧州向けガス供給が開始される予定で、ブルガリアでは6月中の着工が見込まれていた。

ブルガリアの首都ソフィアを訪問中のロシアのラブロフ外相は会見で、「欧州委が政治的な思惑抜きで妥当な判断を下すことを期待する」と述べ、ロシアとの対話に応じるよう要求。一方、ブルガリアのオレシャルスキ首相は、サウスストリームはブルガリアにとって極めて重要なプロジェクトであり、EUの法的枠組みで作業の再開が保証されると強調。最終的に欧州委から計画の続行が認められるとの楽観的な見方を示した。