欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

西欧

海運マースクとMSCが業務提携発表、3社連合断念の代替策で

この記事の要約

海運大手のAPモラー・マースク(デンマーク)とMSCメディタレニアン・シッピング・カンパニー(スイス・伊資本)は10日、主要航路のコンテナ貨物輸送で業務提携すると発表した。当初は仏CMA-CGMを加えた3社で事業連合を結 […]

海運大手のAPモラー・マースク(デンマーク)とMSCメディタレニアン・シッピング・カンパニー(スイス・伊資本)は10日、主要航路のコンテナ貨物輸送で業務提携すると発表した。当初は仏CMA-CGMを加えた3社で事業連合を結成する計画だったが、中国当局から認可されなかったため、規模を縮小して提携する。

両社はアジア~欧州、太平洋、大西洋航路でコンテナ貨物船を共同運航する事業連合「2M」を結成。188隻のコンテナ船を持ち寄り、航空会社の「コードシェア」と同様の形で共同運航する。うち55%に相当する110隻はマースクが提供する。提携期間は10年。当局による認可を経て、2015年初めの始動を目指す。

マースク、MSCとCMA-CGMは海運不況で厳しい経営状況を乗り切るため、昨年6月に業務提携を発表。「P3ネットワーク」と呼ばれる事業連合を結成し、主要航路で共同運航する方針を打ち出した。コスト削減、保有するコンテナ船の活用率向上によって収益を引き上げる狙いがあった。ところが、中国商務省が6月に認可を拒否したことから、断念に追い込まれた。

マースクとMSCは共同運航を3社連合で計画していた255隻を下回る規模に抑えることで、認可を取り付けたい考えだ。