欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

西欧

テリアソネラ、テレ2のノルウェー携帯電話事業を買収

この記事の要約

北欧通信最大手のテリアソネラ(スウェーデン)は7日、国内同業テレ2からノルウェーの携帯電話サービス事業を買収することで合意したと発表した。買収額は51億スウェーデンクローナ(約5億4,900万ユーロ)。これによってノルウ […]

北欧通信最大手のテリアソネラ(スウェーデン)は7日、国内同業テレ2からノルウェーの携帯電話サービス事業を買収することで合意したと発表した。買収額は51億スウェーデンクローナ(約5億4,900万ユーロ)。これによってノルウェーの同市場で最大手テレノールを追撃する体制を強化する。

テレ2はスウェーデン2位の通信会社。オランダ、ノルウェー、カザフスタンなど8カ国で事業を展開している。ノルウェーは3番目の市場だが、昨年12月に実施された携帯電話サービスの新たな周波数の入札で敗れたことで、大きな成長を見込めなくなったことから、3月に携帯電話事業の売却を表明していた。

テリアソネラにとってノルウェーは4番目の市場。携帯電話サービスではテレノールに次ぐ2位となっている。テレ2買収によってシェアは23%から40%に急上昇し、顧客数は160万人から270万人に膨らむ。最大手テレノールの322万人に肉薄する。テレ2が持つ通信インフラを統合することで、2016年に8億スウェーデンクローナのコスト節減効果を見込む。

テリアソネラは2015年3月末までの買収手続き完了を目指すとしている。ただ、同買収によってノルウェー携帯電話サービス市場で大手はテレノール、テリアソネラの2社だけとなり、寡占が進む。3位の新興企業アクセス・インダストリーズは、昨年末の周波数入札を制したが、顧客数は約20万人と、2強と大きな開きがある。

このため、ノルウェー競争当局は買収認可の条件として、大規模な事業・資産売却を求める可能性がある。市場の一部では、テリアソネラがテレ2のノルウェーのすべての通信インフラを最下位アクセス・インダストリーズに売却することを迫られるといった見方が出ている。