欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

西欧

独自動車部品大手ZF、米TRWに買収提案

この記事の要約

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは10日、米同業TRWオートモーティブに買収を提案したと発表した。買収が実現すると、ZFは業界世界最大手の一角に食い込むことになる。 TRWはエアバッグ、シートベルト、運転ア […]

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは10日、米同業TRWオートモーティブに買収を提案したと発表した。買収が実現すると、ZFは業界世界最大手の一角に食い込むことになる。

TRWはエアバッグ、シートベルト、運転アシストシステムなどで強みを持つ。従業員数は6万5,000人。売上高は128億ユーロで、北米と欧州がそれぞれ40%を占める。時価総額は80億ユーロ(110億ドル)。ブルームバーグによると、ZFはTRWの企業価値を110~120億ドルと査定し、これに基づいて買収を提案している。

ZFはトランスミッションの有力メーカーで、ドイツの自動車部品業界ではボッシュ、コンチネンタルに次ぐ3位に付ける。アジア、北米事業の強化を通して2025年までに売上高を13年の168億ユーロから400億ユーロに拡大する目標を掲げる。TRWを買収すると、北米事業を大幅に強化するほか、新たな製品分野も獲得できる。

顧客の自動車メーカーは生産のグローバル化を推し進めており、サプライヤーに対し世界の各工場への部品供給を要求している。ZFはTRWの買収により世界生産網を拡充できるため、メーカーの要求への対応能力が高まる。