欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

西欧

米製薬大手アッヴィ、シャイアー買収の交渉開始

この記事の要約

米製薬大手アッヴィは11日、アイルランド同業シャイアーと買収交渉を開始したことを明らかにした。これまで3回にわたって買収を提案したが、シャイアーに拒否されていたアッヴィは8日、買収額を引き上げ、受け入れを迫っている。 ア […]

米製薬大手アッヴィは11日、アイルランド同業シャイアーと買収交渉を開始したことを明らかにした。これまで3回にわたって買収を提案したが、シャイアーに拒否されていたアッヴィは8日、買収額を引き上げ、受け入れを迫っている。

アッヴィが8日に発表した新たな買収提案は、シャイアーを1株当たり現金22.44ポンドとアッヴィ株式0.8568株との交換で取得するという内容。1株当たりの買い取り価格は51.15ポンドで、全株式を取得した場合の買収額は301億ポンド(約5兆2,000億円)となる。6月末に提示した前回の買収額から11%引き上げた。

シャイアーは希少病医薬品に特化した製薬会社。売上高の6割を稼ぎ出すリウマチ性関節炎治療薬「ヒュミラ」の特許が2016年に失効するアッヴィは、収益基盤を拡大するほか、買収によって税務登録地を法人税が低い英国に移すことを目的に、シャイアーに買収を提案してきたが、これまでシャイアー経営陣は同社の価値を過小評価しているとして拒否し、交渉に応じていなかった。