欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/14

西欧

カルフールがインド撤退、9月までに卸売り事業閉鎖

この記事の要約

仏小売り大手カルフールは7日、インドで展開している卸売り事業を9月末までに閉鎖し、インド市場から徹底すると発表した。理由は明らかにしていないが、外資によるインドの総合小売業参入が難しいことが要因とみられる。 カルフールは […]

仏小売り大手カルフールは7日、インドで展開している卸売り事業を9月末までに閉鎖し、インド市場から徹底すると発表した。理由は明らかにしていないが、外資によるインドの総合小売業参入が難しいことが要因とみられる。

カルフールはインド小売市場参入の布石として、2010年にキャッシュ・アンド・キャリー(会員制の現金持ち帰り問屋)方式と呼ばれる卸売事業を開始。5店舗を展開してきた。

インドではスーパーなど複数のブランドを扱う小売業について、外国企業が最大51%を出資できるようにする規制緩和を2012年に実施。これを受けてカルフールは現地企業と提携し、小売業に進出すると目されてきた。

ところが、扱う商品の33%以上(金額ベース)を現地の中小企業から調達することや、投資額の50%を倉庫など後方インフラの整備に回すことなどを義務付けるといった厳しい制限があるほか、外資参入の可否は各州政府の判断に委ねられるなど、依然として厳しい規制がある。さらに、5月に発足した新政権が外資参入に消極的なことから、カルフールはインド事業に見切りをつけ、卸売事業からも撤退することを決めたもようだ。