欧州中央銀行(ECB)は7日に開いた理事会で、ユーロ圏の銀行監督を担う銀行監督委員会の次期委員長に欧州銀行監督機構(EBA)の現議長でイタリア人のアンドレア・エンリア氏(57)を指名した。エンリア氏は欧州議会、EU加盟国の承認を経て、2019年1月1日付で新委員長に就任する。
エンリア氏は2011年からEBAの議長を務めている。12月末に任期満了となるダニエル・ヌイ委員長の後任をめぐっては、同氏とアイルランド中央銀行のシャロン・ドナリー副総裁が有力候補となっていたが、ECB理事会の投票でエンリア氏が選ばれた。
ECBの銀行監督委員会は、ユーロ圏の大手銀行の監督をECBに一元化する「欧州単一監督メカニズム(SSM)」制度が14年に発足したのに伴い設立された機関。経営破綻した銀行の清算または再建手続き開始を決めるなど、強い権限を持つ。