欧州委員会は14日、包装資材大手の英DSスミスがスペイン同業のユーロパックを買収する計画を条件付きで承認したと発表した。両社はポルトガルとフランスの段ボール市場で公正な競争を維持するため、両国で運営している計3工場を他社に売却することが求められる。
米アマゾンなどに段ボール箱を供給していることで知られるDSスミスは6月、ユーロパックを総額19億ユーロで買収すると発表した。ネット通販の利用急増で包装材の需要増大が見込まれるなか、西欧の事業基盤を強化するのが狙いだ。ユーロパックの買収が実現すると、DSスミスはフランスの包装材市場で首位の座を強固にし、スペインでは業界2位に浮上する。
DSスミスは9月24日付で欧州委に買収計画を届け出た。欧州委は初期段階の調査から、両社の取引を認めた場合、ポルトガルの段ボールシートおよび段ボール箱市場と、フランス西部の段ボール箱市場で競争が制限される恐れがあると指摘。DSスミスはこれを受け、ポルトガルにあるユーロパックの工場と、自社がフランスに保有する2つの工場を売却することを提案した。欧州委はDSスミスの提案を受け入れ、一連の措置により競争上の懸念は払しょくされるとして買収計画を認可した。