EU統計局ユーロスタットが1月31日発表したユーロ圏の2018年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.2%増となり、伸び率は前期から横ばいだった。23四半期連続でプラス成長を維持したものの、中国の景気減速、米中貿易戦争、英国のEU離脱問題などで欧州経済の先行きが不透明となっており、前期に続いて14年4~6月期以来の低成長にとどまった。
前年同期比の伸び率は1.2%で、前期の1.6%を大きく下回り、5年ぶりの低水準となった。EU28カ国ベースのGDPは前期比0.3%増、前年同期比1.5%増。伸び率は前期比が横ばいだったが、前年同期比は前期から0.3ポイント縮小した。
18年通期のGDP伸び率はユーロ圏が1.8%、EUが1.9%。ユーロ圏は17年の2.4%から大きく落ち込んだ。
これまでに主要国の当局が発表した10~12月期のGDP統計によると、イタリアは前期比0.2%減。前期の0.1%減に続いてマイナス成長となり、景気後退に入った。フランスは前期比0.3%増で、伸び率は前期から横ばい。ドイツは18年通期の成長率が1.5%と、前年の2.2%から大きく縮小し、5年ぶりの低成長となっている。
ユーロスタットは14日に国別のGDPを発表することになっている。