英国と米国の金融監督当局は2月25日、英国がどのような形でEUから離脱しても、デリバティブ(金融派生商品)取引などに混乱が生じないよう、長期的に協力関係を維持することで合意した。合意なき離脱となった場合でも英米間で円滑に取引が行われるよう、双方が金融監督で連携する。
イングランド銀行(英中銀)、英金融行為監督機構(FCA)、米商品先物取引委員会(CFTC)の3機関は声明で「英国のEU離脱後も、英米間でデリバティブ取引や清算業務が継続されることを市場参加者に確約する。英国のEU離脱がどのような形になったとしても、両国間のデリバティブ取引に金融監督上の不確実性が生じないよう、英米当局が必要な措置を講じる」と強調した。
英国のEU離脱後は、EUと米国が締結した既存の枠組みが英米間で踏襲され、3機関は金融監督業務をめぐる合意事項を維持する。英米は3月末の離脱までに、両国の金融規制が同様の水準にあることを確認する「同等性評価」の作業を完了し、市場参加者が引き続き相手国の清算機関を利用できるようにする。
イングランド銀行のカーニー総裁は「世界最大で最も洗練されたデリバティブ市場を抱える英米には、堅固で効率的、かつオープンな市場を維持する特別な責任がある」と指摘。CFTCのジャンカルロ委員長は「ロンドンは今後もデリバティブ取引と清算業務の中心であり続けるだろう」と述べた。