欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/14

EUその他

EU、豚肉禁輸問題でロシアをWTO提訴

この記事の要約

ロシアがEU産豚肉の輸入を伝染病の発生を理由に禁止している問題で、欧州委員会は8日、同措置を不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴した。双方はWTOの紛争処理手続きの第1段階として当事者間協議を行うが、60日以内に解決 […]

ロシアがEU産豚肉の輸入を伝染病の発生を理由に禁止している問題で、欧州委員会は8日、同措置を不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴した。双方はWTOの紛争処理手続きの第1段階として当事者間協議を行うが、60日以内に解決できなければ、紛争処理小委員会(パネル)で本格的に争うことになる。

ロシアは1月、リトアニアとポーランドで野生のイノシシのアフリカ豚コレラ感染が発覚したことを理由に、EUからの豚肉の輸入を全面的に禁止した。これについてEUは、感染が報告されていない加盟国も含めた全面禁輸は不当で、WTOのルールに反するとして反発。リトアニア、ポーランド産以外の豚肉の輸入再開を求めてきたが、ロシア側が応じなかったため、提訴に踏み切った。

欧州委は声明で、ロシアと緊密な関係にあるベラルーシでも豚コレラが発生しているにもかかわらず、輸入を停止していないことや、過去にロシア国内で発生した際に取引停止措置を講じなかったことに言及し、EU産への禁輸を差別的措置と批判している。

欧州委によると、2013年のEU産豚肉の対ロシア輸出額は14億ユーロ。輸出全体の約25%を占めている。