英国の老舗百貨店デベナムズが経営破綻し、9日に管財人の管理下に入った。管財人は同日、債権者にデベナムズを売却することを決定。同社は債権者主導で再建を目指すことになった。
デベナムズは1778年創業の百貨店。英国で166店舗を運営しているが、ネット通販の普及やディスカウントストアの台頭で販売が低迷しているほか、賃料の上昇で経営が悪化し、厳しい状況にあった。
同社をめぐっては、筆頭株主である英スポーツ用品販売大手のスポーツダイレクトが救済に乗り出したが、スポーツダイレクトのマイク・アシュリー最高経営責任者(CEO)が自身のCEO就任、デベナムズ取締役の大部分の解任などを求めたことから、デベナムズが拒否。管財人の管理下に入って再建を進めることを決めた。
デベナムズは米ヘッジファンド、英国の銀行など債権者が設立した新会社の傘下に入った上で、営業を続ける。債権者側は2億ポンドを注入し、再建を支援する方針だ。
英国の小売業界はネット通販の台頭、同国のEU離脱をめぐる先行き不安による消費者心理の悪化などで経営環境が悪化しており、老舗百貨店ハウス・オブ・フレイザーが2018年に破綻し、スポーツダイレクトに買収された。