独通信最大手のドイツテレコムは2日、経営不振のITサービス子会社Tシステムズを再編すると発表した。2018年に1万人規模の人員削減を打ち出すなど再建に向けて取り組んできたが、さらなる措置が必要と判断。組織の大幅な見直し方針を打ち出した。監査役会の承認を経て、来年上半期に新体制に移行する。
具体的にはTシステムズの通信サービス事業をドイツテレコムの独事業会社テレコム・ドイチュラントの当該事業に統合。コスト削減や規模の効果を引き出していく。また、TシステムズのIoT事業とセキュリティ事業をそれぞれ分社化し、市場の変化に迅速に対応できるようにする。新設2社はTシステムの傘下にとどまる。
Tシステムズはドイツ最大のITサービス事業者。近年はシステム統合、アウトソーシングなど従来型ITサービス事業の不振で業績が悪化していることから、事業の再編を進めている。1月には大型コンピューター(メインフレーム)関連サービス事業を米IT大手IBMに売却することを決めたが、独連邦カルテル庁がIBMの市場支配的な地位が一段と強まると疑念を示したことから、IBMは6月に買収を断念。Tシステムズはメインフレーム関連サービス事業の再建策を振出しに戻って模索しなければならなくなった。