日立製作所は7月30日、リトアニア北部のビサギナスに原子力発電所を建設する計画を推進していくと発表した。国民投票で過半数が反対票を投じたことから凍結状態となっていたが、同国政府がゴーサインを出したため建設に向けて始動。同原発建設を目的とする事業会社をバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)のエネルギー公社と共同で年内にも設立する。
リトアニア政府は2012年4月、ビサギナス原発の建設で日立製作所とライセンス契約を締結し、同6月には議会の承認も得た。だが、10月に実施された国民投票で約65%が建設に反対したため、計画が宙に浮いていた。
政府は、ロシアへのエネルギー依存から脱却をするには原発建設が必要と判断。国民投票に法的拘束力がないこともあり、全政党の合意を得て建設プロジェクトの再開を決定した。
同原発は出力1,300メガワットで、2020年代の運転開始を予定している。投資額は推定50億ユーロ。