欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/25

EU産業・貿易

ニシン漁めぐるフェロー諸島との紛争決着、EUが制裁措置を解除

この記事の要約

欧州委員会は18日、北東大西洋でのニシン漁をめぐる紛争で、デンマーク自治領のフェロー諸島に科していた制裁措置を20日付けで解除すると発表した。これによってフェロー諸島はEUへのニシンなどの輸出が再開し、漁船がEUの港に寄 […]

欧州委員会は18日、北東大西洋でのニシン漁をめぐる紛争で、デンマーク自治領のフェロー諸島に科していた制裁措置を20日付けで解除すると発表した。これによってフェロー諸島はEUへのニシンなどの輸出が再開し、漁船がEUの港に寄港できるようになる。

EUとフェロー諸島は大西洋北東海域のニシン漁について、協議の上で漁獲枠を設定し、同合意を順守することを取り決めていた。しかし、フェロー諸島が2013年、自国水域内のニシン生息数が増加したことを理由に合意を一方的に破棄し、同年の漁獲枠を大幅に引き上げたため、EUは乱獲が進むとして反発。EUは昨年8月から、ニシンとサバや、それらを使った加工食品の輸入禁止と、フェロー諸島の水域でニシン、サバ漁を行う漁船がEU内の港に入港することを禁止する措置を発動した。これに対してフェロー諸島は、制裁措置を不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴していた。

双方は問題解決に向けて協議を進めた結果、フェロー諸島が14年のニシン漁獲量を4万トンまで削減することで6月に合意し、和解に至った。これを受けてEUは制裁解除を決めた。