欧州中央銀行(ECB)は1月28日、銀行監督委員会が昨年に実施したユーロ圏の銀行の財務健全性に関する調査で、6銀行が資本不足だったと発表した。6行の具体名は明らかにしていない。
ECBの銀行監督委員会はユーロ圏の銀行に対して、中核的な自己資本(CET1)の最低基準を定めている。さらに、金融市場の混乱や景気の悪化といった不測の事態が生じた場合でも持ちこたえられるようにするため、「第2の柱ガイダンス」と呼ばれる資本水準を銀行ごとに設定している。
109行を対象に実施された調査では、6行の資本が第2の柱ガイダンスを下回った。これを受けてECBは6行にコスト削減など是正措置を講じるようを指示。すでに4行が対応し、資本要件を満たしたという。
ユーロ圏の銀行は超低金利や実店舗運営のコストがかさんでいることなどで厳しい状況にあり、資本不足となった銀行は前年の1行から急増した。