欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/8/25

西欧

ライアンエアー、キプロス航空買収を提案

この記事の要約

欧州最大の格安航空会社であるライアンエアーは22日、経営難に直面する国営キプロス航空の買収をキプロス政府に提案したことを明らかにした。買収によって同社の主導でキプロス航空の再建を進め、向こう3~4年で利用者数を現在の年5 […]

欧州最大の格安航空会社であるライアンエアーは22日、経営難に直面する国営キプロス航空の買収をキプロス政府に提案したことを明らかにした。買収によって同社の主導でキプロス航空の再建を進め、向こう3~4年で利用者数を現在の年50万人から300万人に拡大することを目指すとしている。

政府が93%を出資するキプロス航空は赤字が続いている。2013年は国内の金融危機の影響で経営悪化が一段と深刻化し、赤字が前年の約2倍の5,580万ユーロに膨らんだ。

同社は政府による金融支援や、航空機、英ヒースロー空港の離発着権売却などでかろうじて存続してきたが、公的支援がEUの欧州委員会から問題視されていることなどを受けて、政府は売却による民営化を模索している。これまでにギリシャのエーゲ航空、ルーマニアの格安航空会社ブルー・エアなど10数社が買収を検討中と報じられている。

ライアンエアーは地中海路線の増強を念頭に、キプロス航空の買収に乗り出した。買収案の詳細は不明だが、オレリー最高経営責任者(CEO)は買収後もキプロス航空を別会社として、独立した形で運営させる方針を示している。