ケーブルテレビ(CATV)大手の米リバティ・グローバルがオランダ同業ジッゴを買収する計画の可否を審査している欧州委員会は8月25日、審査期限を11月3日に設定したことを明らかにした。リバティ・グローバルが提案した競争上の是正策が十分かどうかを詳細に検証するとみられる。
リバティ・グローバルは今年1月、28.5%を出資するジッゴの残る株式を取得し、オランダのCATV子会社UPCと統合することで合意していた。債務引き受けを含めた買収総額は、
約100億ユーロに上る。
ジッゴとUPCはCATVのほか、通信ケーブルを利用したブロードバンドサービス、固定電話事業を展開している。買収で誕生する新会社は、オランダの全世帯の90%にサービスを提供するCATV会社となる。
欧州委は同買収に競争政策上の観点から難色を示し、リバティ・グローバルに対応を勧告。新たな動きがあるまで審査を凍結していたが、同社が是正案を提示したことから、同日に審査を再開した。
消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、リバティ・グローバルは◇オランダ国内で高速インターネット回線を通じたテレビ番組配信事業を手がける企業に、買収で誕生する新会社のネット回線網を4年にわたって開放する◇オランダの有料テレビチャンネル「フィルム1」を手放す――ことを提案しているという。