仏製薬大手サノフィは23日、ワクチン開発での米トランスレート・バイオとの提携を拡大すると発表した。トランスレート・バイオが開発を進めている新型コロナウイルス向けワクチンの重要性を評価したもので、最大19億ドルの資金を提供する。
トランスレート・バイオは安全性が高く迅速な製造が可能とされるメッセンジャーRNA(mRNA)を用いたワクチンの開発を手がける企業。サノフィは同社と2018年からワクチン開発で提携していた。
両社が結んだ新提携契約では、サノフィがまず4億2,500万ドルを提供する。うち現金支払いは3億ドル。残りはトランスレート・バイオの新株を引き受ける形となる。資金提供はワクチン開発の進展状況に応じて上積みされ、最大19億ドルに上る。
サノフィはトランスレート・バイオの株式7.2%を握り、第4位の株主となるほか、見返りとして同社の技術を活用したワクチンの全世界での製造、販売権を与えられる。
サノフィによると、トランスレート・バイオが開発中の新型コロナウイルスワクチンは年内に臨床試験を開始し、順調にいけば21年下期に認可される見通しだ。
同社は新型コロナのワクチン開発で英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)とも提携している。当初は21年下期の認可を見込んでいたが、同年上期に目標を繰り上げたことを明らかにした。