EU統計局ユーロスタットが12日発表したユーロ圏の6月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比で9.1%上昇し、2カ月連続で伸びを記録した。ただ、上げ幅は前月の12.3%を下回り、市場予測の10%に届かなかった。コロナ禍の打撃から完全には立ち直っていない。(表参照)
同指数は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3、4月にそれぞれ11.8%、18.0%のマイナスとなり、2カ月連続で過去最悪を更新。経済・社会活動を厳しく制限する措置が緩和された5月にプラスに復帰していた。
6月は新型コロナの影響で落ち込んでいた自動車、家電など耐久消費財が20.2%増と大きく伸びたほか、資本財が14.2%、中間財が6.7%、エネルギーが2.6%、非耐久消費財が4.8%の幅で上昇した。
EU27カ国ベースの鉱工業生産指数も9.1%上昇した。データが出そろっている24カ国ではベルギー、フィンランドを除いてプラスとなった。主要国の上げ幅はスペインが14.5%、フランスが12.9%、ドイツが10.8%、イタリアが8.2%となっている。
一方、前年同月比ではユーロ圏が12.3%、EUが11.6%のマイナス。下げ幅はそれぞれ前月の20.4%、20.1%から縮小したものの、依然としてコロナ禍の影響が続いている。