2020/8/17

西欧

日英が新通商協定で「実質合意」、月内合意に向け農産品が焦点に

この記事の要約

日英両政府は6、7の両日、新たな通商協定の締結に向けて閣僚協議を開き、大半の分野で実質合意した。8月末までに大筋合意し、2021年1月の発効を目指す。今後の協議では農産品の扱いが焦点になる見通しだ。英国は今年1月にEUを […]

日英両政府は6、7の両日、新たな通商協定の締結に向けて閣僚協議を開き、大半の分野で実質合意した。8月末までに大筋合意し、2021年1月の発効を目指す。今後の協議では農産品の扱いが焦点になる見通しだ。

英国は今年1月にEUを離脱しており、12月末に移行期間が終了すると、日英間では日本とEUの経済連携協定(EPA)に基づく関税の優遇措置が適用されなくなる。このため両国はEPAに代わる新協定の早期締結に向け、6月に交渉を開始した。

茂木敏充外相とトラス英国際貿易相がロンドンで協議を実施した。茂木氏はオンライン会見で「大半の分野で実質合意した。8月末までの大筋合意を目指し、交渉を加速させる」と表明。トラス氏も声明で「主要な論点で合意に至った。その中にはデジタルやデータ、金融サービスなどの分野で日欧EPAを上回る内容の野心的な項目も含まれている」と述べた。

日本にとって最大の焦点だった日本製乗用車に対する関税は、EPAに準じて26年に撤廃する。日欧では乗用車にかかる関税を段階的に引き下げ、EPA発効から8年目の26年に撤廃することが決まっているが、日本側は英国との交渉で関税撤廃までの期間を短縮し、日欧と同時期に撤廃するよう求めていた。自動車部品もEPAと同様、貿易額の9割超で関税を即時撤廃する。

一方、農産品をめぐっては双方の主張になお隔たりがある。日欧EPAでは日本がEU産のソフトチーズなどに対して一定の輸入枠を設け、枠内の数量については段階的に関税を下げる一方、それ以外は従来の税率を維持している。英国はブルーチーズの関税優遇措置を求めているが、日本側は日欧EPAで認めた品目以外に新たな輸入枠を設けない方針を示しており、大筋合意に向けた詰めの交渉で最大の争点になりそうだ。

英政府の統計によると、19年の日英間の貿易額は約316億ポンド(約4兆4,070億円)。新協定が発効すると、貿易額は長期的に年間150億ポンド拡大すると試算している。また、英国は環太平洋経済連携協定(TPP)への参加も視野に入れており、日本との新協定をTPP加盟の足がかりにしたい考えだ。