EUがベラルーシ制裁を正式決定、ロシアの介入をけん制

EUは19日、テレビ会議方式で臨時首脳会議を開き、ルカシェンコ大統領が6選を決めた9日の選挙で政権による「不正があった」として、関与した当局者らに近く制裁を科す方針で一致した。ただ、ロシアの介入を招いた2014年のウクライナ危機を踏まえ、再選挙の実施を訴える反体制派のチハノフスカヤ氏の呼びかけには応じなかった。

EUは14日の臨時外相理事会で、大統領選で不正があったと認定し、選挙結果の改ざんや反体制派の弾圧に関与した当局者らに制裁を科すことで合意。月内にも対象者リストを作成し、具体的な措置をまとめると表明していた。

首脳会議の声明は、大統領選は「自由でも公正でもなかった」と指摘し、「選挙結果を認めることはできない」と表明した。そのうえで、ルカシェンコ政権に対し、事態打開に向け暴力による弾圧を停止して、反体制派との対話を進めるよう要求。EUやロシアが加盟する欧州安保協力機構(OSCE)による仲介を支持する方針も示した。

ミシェルEU大統領は会議後の記者会見で「不正や暴力に関与した多くの人物に対し、近く制裁を科す」と表明。「ベラルーシの将来を決めるのはブリュッセルでもモスクワでもなく、ベラルーシ国民だ」と述べ、介入をちらつかせるロシアをけん制した。そのうえで、弾圧の被害者に対する支援や新型コロナウイルス対策費として、5,300万ユーロの資金支援を行う方針も明らかにした。

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