エアバスと独自動車部品大手が合弁、航空機用燃料電池開発で

自動車部品大手の独エルリングクリンガーは14日、欧州航空機大手のエアバスと提携で合意したと発表した。合弁会社を設立してエアバスが実用化を目指す航空機向けに燃料電池スタックを開発する。

エアバスは9月下旬、水素を燃料とする商用機を2035年までに投入する計画を発表した。3種類の試作機を製造する予定。

両社はこれに絡んで合弁会社を設立する。エルリングクリンガーは新会社に技術を持ち寄り、その見返りとしてエアバスから最大5,000万ユーロ程度を受け取る。また、スタックの開発に必要な部品を新会社に供給する。同社の過半数資本はエアバスが握ることになっている。エアバスはスタック性能の高さと技術を商業化する能力を評価してエルリングクリンガーをパートナーに選んだ。

エルリングクリンガーは車のエンジン部品であるシリンダーヘッドガスケットの有力メーカー。自動車業界では今後、車両の電動化が進むことから、新たな事業分野を育て上げることが課題となっている。燃料電池スタック分野のノウハウはシリンダーヘッドガスケットで培った技術をもとに1990年代から構築してきた。

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